数学オリンピック / 不等式

不等式の等号成立条件

数オリの不等式では、評価値を出すだけでは不十分です。 その値が本当に達成できるか、つまり等号成立条件を最後まで確認する必要があります。

なぜ等号条件が重要か

最小値・最大値問題は「評価」と「達成」の2段階です。 不等式で下界や上界を出した後、等号条件を満たす実例があることを示して初めて答えになります。

基本例:1つの不等式だけ使う場合

例題1

正の実数 \\(x\\) に対し、\\(x+\\frac{1}{x}\\) の最小値を求めよ。

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AM-GMより \\(x+\\frac{1}{x}\\ge 2\\)。等号は \\(x=1\\)。

\\(x=1\\) は条件 \\(x>0\\) を満たすので、最小値は \\(2\\)。

複数の不等式を使うときの両立確認

2回以上評価するときは、各ステップの等号条件を同時に満たせるかを確認します。

例題2

正の実数 \\(a,b,c\\) で \\(abc=1\\) のとき、\\(a+b+c\\) の最小値を求めよ。

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3変数AM-GMより \\(a+b+c\\ge 3\\sqrt[3]{abc}=3\\)。

等号条件は \\(a=b=c\\)。さらに \\(abc=1\\) から \\(a=b=c=1\\)。

条件と両立するので最小値は \\(3\\)。

「評価はできたが達成できない」失敗例

例題3(失敗の典型)

正の実数 \\(x,y\\) で \\(x+y=1\\) のとき、\\(x^2+y^2\\) の最小値を考える。

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\\(x^2+y^2\\ge 0\\) は正しいが、等号 \\(x=y=0\\) は条件 \\(x+y=1\\) と矛盾。

この下界 \\(0\\) は達成できないので最小値にはならない。

正しくは \\((x-y)^2\\ge 0\\) から \\(x^2+y^2\\ge 2xy\\)、さらに \\(x+y=1\\) を使うと最小は \\(x=y=\\frac12\\) で \\(\\frac12\\)。

証明でのチェック項目

  • どの不等式を使ったか明記する
  • 等号成立条件を式で書く
  • 元の制約(正、和一定、積一定など)と両立するか確認する

数オリでは、この確認不足で部分点止まりになることが多いです。 大学受験よりも「達成可能性」の説明が重く見られます。